2012年1月29日日曜日

Blackfin ADSP-BF592搭載基板ACB-BF592の下ごしらえ

先日入手したBlackfin ADSP-BF592搭載基板ACB-BF592の下ごしらえです。

この基板は動かすためのコンポーネントが全て入ったいわゆる「全部入り」なので、ピンヘッダをくっつけておけば準備完了です。


ということでピンヘッダを準備します。
デバッガを接続する箇所にはキーに合わせてピンを1ピン抜いておきます。


実装するとこんな具合。


秋月電子通商さんのAE-FT2232と並べてみましょう。
このサイズでDSPが楽しめるなんて幸せです。


こんな感じで準備ができました。

DSP空挺団さんのページでは、ブレッドボードを使って使用する様子が書かれています。

うーん。
私も早くやってみたい!

2012年1月22日日曜日

これは新機軸!金子システム株式会社さんのDSP基板が登場(予定)!

このブログを読んでいらっしゃる方の中にも「DSP触ってみたいなぁ」という方が結構いるのではないでしょうか?そんな私も例に漏れず以前から「Blackfinを触ってみたい触ってみたい」と念仏のように唱えていました。

色んなきっかけによって徐々に環境を整えつつあるのですが、先日「私好みのキュッと引き締まったDSP基板」を入手する事ができましたので御紹介します。

私がすっかり気に入ってしまったDSP基板の写真はこちら。


この基板は金子システム株式会社さんの設計によるもの。
基板フェチの私は美しく引かれたパターンとティアドロップにうっとりです。
プロの仕事はやはり違います。

コンパクトな基板の上にBlackfinとクロックとSPIフラッシュとJTAG用ヘッダとブートモード選択用DIPスイッチと1.2V降圧レギュレータが搭載されています。要するにこの基板に+3.3Vを供給するだけで、直ぐにでもDSPを楽しむ事ができるのです。

搭載されているDSPはAnalog Devices社のADSP-BF592 Blackfinです。


なるほど~って、全然まだ意味がわかっていません。
なんだこのブロック・ダイアグラムにある「BLACKfin」ってのは!と突っ込みたくなります。
これがDSPの心臓部分か。


そんな感じでヨチヨチ状態ですが、NXPセミコンダクターズのLPCシリーズと合わせて、今年はこちらも楽しみたい!それにはまずデバッガの入手かな?

ちなみに、このDSP基板は今後販売予定があるそうです。
興味のある方は金子システム株式会社さんまで問い合わせてみて下さい。

「CuBeatSystemsのウェブを見た」と言うと・・・おそらく特典は無いと思います。

プチ報告「小規模組み込みシステムプラットフォーム研究部会」


遅ればせながら、先週行なった「小規模組み込みシステムプラットフォーム研究部会」~近代文学施設でモクモクと組み込みシステムプラットフォームを研究しよう~のプチ報告です。

場所は神奈川県横浜市の港の見える丘公園の中にある神奈川近代文学館でした。

プチ参加賞は夏目漱石が自筆で作った原稿用紙の復刻版・・・を1枚。
これは施設で販売されていたので面白くて購入しました。


朝9時30分から18時00分までの開催。
途中、公園内の散策を楽しむ余裕もありました。


和室の風景はこちら。
温泉旅館に宿泊しているかの雰囲気が個人的に好みです。


相変わらずの絵で皆様をお出迎えしました。


夜は当然ながら親睦を深める会です。
と言っても、コアなメンバーが集うので結局のところ熱く組み込み談義が繰り広げられました。
楽しかった!


前回の「LPCXpresso横浜お楽しみ部会」では、参加者の開発の様子も御紹介しました。
本当は今回も御紹介しようと思ったのですが、今後は参加された方が見れるお互いの様子という形にしようと思います。
その方が、公開したくない人も参加しやすいかな?と思いました。

継続的に開催する方向で検討中ですので、皆様も機会があえば是非!

2012年1月9日月曜日

Red Probe+を購入しました

先日勢い余ってSoliton WaveさんRed Probe+10ピン-20ピン JTAGアダプタを発注しました。
本日やっとこさの開梱です。


本体には20ピンのJTAGケーブルが接続されています。
付属品やUSBケーブルとウェブへのリンクを示すシートです。


こちらは一緒に購入した10ピン-20ピン JTAGアダプタです。
SWDをインターフェースとして使用する時に使います。


実は、Red Probe+内部にもSWD用ピンヘッダがあります。
上記のアダプタの10ピンケーブルを、内部SWD用ピンヘッダに直接接続して使用する事も可能。
その場合、20ピンJTAGケーブルは取り外しておいた方が良いでしょう。

それらの情報はcode_red社のウェブから見る事ができます。
http://www.code-red-tech.com/red-probe-plus.php
http://support.code-red-tech.com/CodeRedWiki/HardwareDebugConnections

私はBlackTank(20ピン JTAGが出ている)でもこいつを使用する予定なのでアダプタを使用します。
ちょっとケーブル部分が長いです。


かかった費用はこちら。


なかなか大きな出費です。


気になる使用感やLPC-LINKとの違いなどは後日レポートしたいと思います。

有償のIDEであるRed Suiteを使った時に最大限メリットが出るような製品設計です。
LPCXpressoと組み合わせた場合、どの程度メリットを享受する事ができるのでしょうか。
その点を知りたいがためだけに購入したという人柱的企画です。

LPC-LINKと同じだったらどうしよう・・・。

FusionPCBの基板発注から到着までの日数(DHL発送選択時)

工程を振り返ってみる

昨年末の12/29にFusionPCBへ発注した基板が手元に届きました。
今回はできるだけ早く基板が欲しかったのでDHLによる発送を指定。


ちょっと工程を振り返ってみましょう。

12/29:発注
12/30:オーダー受付 (1日目)
12/31:土曜
01/01:日曜
01/02:月曜 (2日目)
01/03:火曜 (3日目)
01/04:発送 (4日目)
01/05:運送
01/06:運送
01/07:到着

発注してから4営業日で発送された事になります。
なかなか早いですね。

中国は旧正月がお休みです。
ということで日本のお正月とは関係なくお仕事をされているわけです。

年末からお正月にかけての発注は、仕事量も減っていて例年素早く対応可能なのかもしれません。
お正月にこたつでぬくぬくしながら研究したい場合、この時期の発注は検討の価値がありそうです。

費用

ちなみに費用は5cmx10cm MaxのコースでDHL送料込みで5千円前後でした。
気長に基板の到着を待つ事を前提にDHLを選択しなければ半分くらいの費用で済みます。

おまけ

一緒に入っていたシートがこれ。



一昔前、「中国」と「イノベーション」が一緒になるなんて誰も考えもしませんでした。
「Innovate with China」がなんとなく真実味を帯びてきているような気もします。

がんばれニッポン!
(と言いながら中国の企業に基板を発注しているので、何とも言えません。)

小規模組み込みシステムプラットフォーム研究開発温泉プレビュー

小規模組み込みシステムプラットフォーム研究開発温泉プレビューって何?

来週末に行なう小規模組み込みシステムプラットフォーム研究部会のノリで、温泉に一泊しながらグダグダ(ダラダラ?)各自が好きな研究に没頭する為の企画、小規模組み込みシステムプラットフォーム研究温泉なるものを検討しています。


この企画は、伊豆か熱海かそこいらの温泉旅館に詰めかけて泊まり、研究専用部屋を設け、集ってガサゴソ研究するというもの。集うと言っても、同じ目標に向かってガサゴソするわけではなく、各自がやりたい事をやりたいようにやるモクモク会のようなものです。

企画の性質上、どのくらい人が集まるのか?とか、そもそも泊まり込みでやる意味があるのか?とか色んな疑問が湧いてくるのでまずは実地実験する事にしました。
名付けて「小規模組み込みシステムプラットフォーム研究温泉プレビュー」です。

はっきり言って、泊まって作業してみないとどんな具合かなんてわかりません。
なかなかお金のかかる実地実験ですが、面白そうなのでやってみる事にしました。

どこまで行ったの?

今回は横浜から伊豆急下田までの遠征です。



実地実験会場は「下田ベイクロシオ」を選びました。
ペリー艦隊が来航した湾の直ぐ近くです。
伊豆あたりであれば何でも良かったので、今回は適当に選びました。

旅の様子

まずは電車に乗り込んで移動します。



単なる移動では勿体ないので、早速コーディング。
集中すればするほど酔いそうです。自分のコードに・・・ではなく、電車に・・・。



横浜から伊豆急下田までは、JR踊り子号を使って約2時間40分の旅です。
黒船来航の港に到着。


ちょうどお昼時に到着したので、駅前でお食事。


一夜干しをお土産に・・・なんて考えていると何しに来たんだか。


今回のホテルはチェックインが3時だったので、しばし散策。
ペリー艦隊にまつわる色々を見て回ります。

こちらは1837年製のカノン砲。


下田開国博物館を見学。


ひなびた風景も楽しめます。


そうこうしているうちにチェックイン可能な時間になったので移動!
ホテルからの景色を眺めてしばし休憩です。


休憩もつかの間、早速研究開発温泉の開始です。


今回は小規模組み込みシステムで使用可能なBMP入出力モジュール、「Tiny BMP I/Oモジュール」の設計と実装から。随分前から登録して放置していたプロジェクトです。このモジュールの詳細に関しては、また後日取り上げたいと思います。


集中して取り組んでいるとあっという間に時間が過ぎていきます。
外の景色を見ると様子が変わっています。



作業の成果が出たところで気持ちの良い温泉や美味しい食事が待っているなんてなかなか洒落ています。


海の幸で食事を楽しみます。
普段の生活圏から離れ、普段と異なる食事。
いつもと違う発想もここから生まれます。


食事や温泉を楽しんだ後は、またまたコーディングです。
Tiny BMP I/O Moduleも元気に育ちました。


実現するとしたら気になるところ

今回のプレビュー工程によって得られた気になるところを挙げてみましょう。

  1. あまり遠すぎない方が良い。
  2. 単なる宿泊施設でうまくやろうとしても無理。
  3. 一泊でやれることは限られている。
  4. 泊まり込む意義って?

「あまり遠すぎない方が良い」
今回は伊豆急下田まで行きましたが、片道約3時間は正直言って遠すぎました。
横浜から9時過ぎの列車に乗って到着するのが12時過ぎです。
仮に土日にかけて開催するとした場合、片道の移動だけで1/4の工程を過ぎてしまう事になります。これは勿体ない気がします。一泊ですから、時間を有効に使いたいところです。
電車の中でコーディングもしましたが、気持ち悪くなったりして「何やってんだか」という感じです。

「単なる宿泊施設でうまくやろうとしても無理」
宿泊施設は、「勉強会や会議をやる前提」になっている施設が必須と言えそうです。
今回のホテルは本当に「泊まるだけ」の前提でサービスが設計されています。
チェックインが3時でチェックアウトが10時です。
これでは温泉に入って食事をして寝る時間を差し引くと数時間しか作業時間が残りません。
どこかの部屋を「作業部屋」に設定する案もありますが、やはり寝室ともなる部屋は休む場所としてキープしたいところです。
単なる宿泊施設では、コンセントも少ないし、通信インフラも整っていない事も懸念材料の一つです。
ちなみに、チェックアウト後に部屋を借りる相談をしたところ「1時間3,150円です。」とのこと。
まぁ、そうですよね。でも、これではちょっと辛いです。

「一泊でやれることは限られている」
一泊でやれることは限られています。
私の場合、「今回はこれをやろう」とある程度材料を持ち込んで作業しました。
材料は3つくらい用意して現地入りしましたが、実現できたのは1つだけ。
放置作業だったので気分はスッキリしました。
人ひとりが一泊でやれることは限られています。
次に挙げる「泊まり込む意義って?」と合わせて価値を見出すのが良さそうです。

「泊まり込む意義って?」
普段長い時間話す事のできない人たちと、ノンビリした雰囲気の中で情報交換ができるという事でしょう。湯船の中で組み込み談義なんて普通はあり得ません。ちょっと違った視点で物事を見るチャンスと言えます。
一泊でやれることは限られますが、周囲の参加者が取り組んでおられる事や問題を観察する事で、自分にない異なる視点やアプローチを見つける事ができるかもしれません。

実現で得られるメリット

今回のプレビュー工程で感じられたメリットについて整理してみましょう。
  1. 着手できていなかった事に着手する絶好の機会。
  2. 温泉が良い!食事が美味しい!景色が良い!
  3. その他

「着手できていなかった事に着手する絶好の機会。」

やはり一泊の工程で何かをやろうとした場合、それなりの目的意識が必要です。
そういえば「あれ」やってないな、といった素材を持ち寄れば気になっていた事が片付いたりしてスッキリできます。
一泊のバッチサイズですから規模は限られます。
ですが、目的を明確にし、他の参加者との交流もできると考えると、かなり身になる機会と言えるでしょう。

「温泉が良い!食事が美味しい!景色が良い!」

もうネタですね。でも、これがあるから目的達成への動機にも成り得ます。
普段の生活から離れてリフレッシュできるメリットも。

「その他」

これはもう参加者の相乗効果によるものです。
意図をもって提供できない何かが得られる可能性があります。

ちょっと良さそうな場所

以前、@ssciさんから熱海温泉「芳泉閣」をお勧め頂きました。
チェックインが12時でチェックアウトが11時。
「学生合宿 企業向け少人数研修宿泊施設」とあって、そのために行けるところが嬉しいです。
無料のLAN接続設備やホワイトボード、プロジェクタなども完備です。
これは良さそう。

まとめ

今回の企画、「小規模組み込みシステムプラットフォーム研究開発温泉」を、思い立ちのまま実現するとわけがわからなくなりそうです。
今回はプレビュー版として実地調査をしてみました。

色んな気分転換にもなりますし、普段の生活圏を離れる効果もあって集中できる環境が用意できる事は間違いありません。
機会があれば是非実現してみたい企画の一つです。

あ、以前考えていた名称は「小規模組み込みシステム開発温泉」なのですね・・・。


まぁ、どちらでも良いか・・・。
略称は「組み込み開発温泉」かな。

2012年1月7日土曜日

筺体設計で自作機器のお洒落度をアップしよう!

先日の記事への突っ込み

先日の記事で「こんなの作っていました」と書きましたが、記事を見て頂いた人にとって有益になる情報は一つもありませんでした。
「こんなの出来るでぇ~。」という感じで「何だそれ?」と言いたくなります。
本来、CuBeatSystemsのブログは皆様の物作りに役立つ何かを発信したいわけです。


そこで、「どこに発注したの?」とか「どんなツールで図面を書いたの?」とかそんなところを「よくある質問に対する回答」という形で明らかにしたいと思います。

よくある質問

▼どこに発注したの?
山形県にある有限会社 長井技研さんにお願いしました。

どんなスペックですか?
長井技研さんの管理されているサイト(板金加工eye)に掲載されています。
アルミボックス電気回路収納用(個人様 趣味用)」を御覧下さい。

このページには、私が最初に出した設計と、それに対する改善提案の内容が記載されています。
長井技研さんからの提案によって、より安価に安定した品質で仕上げる事が可能になりました。

CADは何を使ったの?
RootPro CADFree版を使用しました。(このアプリケーションは、当時別名前でした。)

どのくらいの費用がかかりましたか?
赤アルマイト加工を含めて数万円です。(すみません。詳細は本当に忘れました。ごめんなさい。)

試作やリピートに対応してくれましたか?
はい。
私は先の設計を試作で1台、リピートでもう1台作りました。

筺体設計で自作機器のお洒落度をアップするメリット

所詮自分だけが使うもの・・・と割り切るのも良いのですが、基板むき出しのままですと気分が盛り上がりません。
筺体設計を行なった上で良い対応をしてくれる板金屋さんが見つかれば、自作機器の仕上がりを満足のいくまで高める事も夢ではありません。

数万円は時に非常に高価な投資です。
しかし、他人の作った誰でも持っている電子機器を数万円で購入する事を考えれば、満足のいく仕上がりを自作機器でも得られる良い投資と言える気がします。

2012年1月5日木曜日

CuBeatSystemsの製作事例 (2006年の品)

先日の大掃除で出てきたデータの中からもう一つ。

この装置は2006年の設計。
管楽器の修理屋さんから頼まれた装置です。

板金は加工業者に図面を渡して作ってもらった物。
赤アルマイト仕上げでお金がかなりかかっています。


現場のハードな使用にも耐えられるように設計しました。


こんな感じで外装に気を配ると結構良い感じの仕上がりに見えます。


大掃除で過去のプロジェクトを見てみると「昔の方が気合いが入っていたのでは?」なんて思ってしまいます。ちょっと反省モード。

でも色々と見えてくるものもあります。
この頃は機械図面も書いていました。


しばらくご無沙汰しているのですが「本当のユーザが使う装置」も設計してみたいですね。

2012年1月2日月曜日

CuBeatSystemsの名前の由来

CuBeatSystemsとは、CubeとBeatとSystemsによる造語で、「キュービートシステムズ」と読みます。
キューブ形状のビートを発生させる装置の開発を始めたのがきっかけで付いた名称です。

年末の大掃除できっかけとなった装置の写真が見つかったので掲載します。
撮影は2002年3月31日ということなのでもう10年前ですね。


まぁ、メトロノームなのですが、モンテューノを練習するためのシーケンスを出力できたり、ありがちな耳の痛い電子音を排除したりと独自の工夫を凝らした物になっていました。
この装置は実際にお二人にお譲りして使って頂きました。

EXIFを見ると当時の時代を反映しています。
OLYMPUSのC990Zで撮影した画像です。
当時学生だった私は、デジタルカメラなど持っているはずもなく、実家にあったデジタルカメラを借用してドキュメントなどを手作りしていました。

会社を作る予定もないのに会社のロゴを考えたりしていたものです。


こうして見ると古い記録というのは、面白いですね。
当時実現していたものとか、何を考えていたのかの一端が見えて懐かしくなったりします。

本年もよろしくお願い致します



今年は、「小規模組み込みシステムプラットフォーム研究部会 ~近代文学施設でモクモクと組み込みシステムプラットフォームを研究しよう~」からスタートです。

その前の週は、徐々に構想を温めつつある企画、組み込みエンジニアが温泉を楽しみながらダラダラ研究をする「組み込み温泉」のシミュレーションをしてくる予定です。

本年もよろしくお願い致します。